【特別コラム】新型コロナで「メジャーセブン」の販売活動が冬眠状態に|細野透(建築&住宅ジャーナリスト)
2020年5月6日 07時30分
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 新型コロナウイルスの国内感染者が約4500人だった4月7日、「東京・大阪など7都府県」に緊急事態宣言が発令されました。  それからわずか9日後。国内感染者が約9300人に近づいた4月16日、緊急事態宣言の対象は一気に「全国47都道府県」に広がりました。  そして、国内感染者が1万5000人を超えた5月4日、緊急事態宣言は5月31日まで延長されることになりました。 【■■新型コロナウイルスに対する「メジャーセブン7社」の対応】  日本中が緊急事態宣言に染まった4月の最終週に、私はマンションデベロッパーとして強い影響力を持つ「メジャーセブン7社」の対応についてざっと調べてみました。  具体的にいうと、住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス(50音順)の各社です。そして、次の事実を確認しました。  ◇「メジャーセブン7社が冬眠状態に」  緊急事態宣言が続いている期間は、強い影響力を持つメジャーセブン7社でさえも、「新築分譲マンションの販売に関しては、冬眠状態に入らざるを得ない状態」になりました・・・。  今回は、「新型コロナウイルスに対するメジャーセブン各社の対応」に、焦点を合わせましょう。 【■■住友不動産の対応】  まず50音順の関係で、最初に名前が出てくる住友不動産の対応です。同社は「住友不動産のマンション」と題するウェブサイトの末尾に、新型コロナに対する各種の情報を掲載しています。  そして、その内容は、時間が経つにつれて「深刻化」していきます。  URL<https://www.sumitomo-rd-mansion.jp>  ❶『新型コロナウイルス対策について』(3月13日)  ◇弊社では安心してご来場いただけるように、「新型コロナウイルスの感染・流行拡大の防止策」として、以下の対策をしております。    A スタッフ全員のマスク着用。  B スタッフ全員の手洗いおよびアルコール消毒の徹底。   C 営業スタッフ全員に毎日の体温・健康状態チェックを実施。  D 来場いただいた際には、間隔をあけてお席にお座りいただけますよう配慮します。  E モデルルーム等の定期的消毒作業の実施。  F シアタールームご鑑賞の際には、極力一家族でご覧いただけるように致します。  ◇お客様へのお願い  ご来場いただくお客様におかれましては、マスクを着用お勧め致します。また、受付入り口付近にアルコール消毒薬を設けておりますので、お手数ではございますが、手指を消毒してから入室下さいますようお願い申し上げます。  なお、ご来場のお客様や弊社社員への安全配慮のため、風邪の症状や37.5度以上の発熱がある方、強いだるさや息苦しさがある方は、ご来場をお控え下さいますようお願い致します。 ❷『弊社マンションギャラリー、一時閉鎖のご案内』(4月7日) ◇新型コロナウイルスの感染者急増に伴い、7都府県を対象に、政府から「緊急事態宣言」が発令されました。それを受けて首都圏、大阪府、福岡県に所在する弊社の分譲マンションギャラリー(販売センター)を、以下の通り閉鎖させていただきます。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。  マンションギャラリー閉鎖期間「2020年4月8日(水)~5月6日(水)」 ◇なお、お約束している引渡等のお手続きに関しましては、営業担当からお客様へ確認の連絡をさせていただいた上で適切に対応させていただきます。各種お問い合わせ等につきましては、「各物件公式ホームページ記載のフリーダイヤル」までお願いします。 ❸『愛知県マンションギャラリー、一時閉鎖のご案内』(4月17日)  これは、4月16日に、緊急事態宣言の対象が「全国47都道府県」に広がったため、愛知県マンションギャラリーも一時閉鎖することになった、というお知らせです。 【■■他の6社(大京、東急、東建、野村、三井不レジ、三菱地所レジ)の対応】  次に大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンスの対応です。  この6社も、基本的には住友不動産とほぼ同様の対応をしています。その中で、ユーザーの立場から見ると、最も分かりやすく書かれている、東京建物の「お知らせ」をピックアップしてみましょう。 【■■東京建物の「お知らせ」】 ◇お客様各位  新型コロナウイルス感染拡大抑止策としての、政府の「緊急事態宣言」発令に伴う、『分譲マンション営業活動方針』について。   まずは今般の新型コロナウイルスの影響を受け、様々な不安と困難に向きあう皆様へ謹んでお見舞い申し上げます。また、罹患者の皆様の一日も早いご回復と、感染の終息をお祈りいたします。    表記の件、新型コロナウイルスの感染拡大の状況並びに、政府の「緊急事態宣言」発令を受け、感染拡大防止の重要期間と位置づけられた緊急対応策として、下記のとおり、分譲マンションのゲストサロン(販売センター)の営業活動方針を決定いたしました。何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。  【営業活動方針】 ❶ゲストサロン(販売センター)における対面によるご案内の休止について   ⇒2020年4月10日(金)〜5月8日(金)まで、「対面によるご案内」を休止させて頂きます。 ◇対面による各物件のご案内の再開時期につきましては、「各物件のホームページ」並びに、該当物件の来場時または資料請求(物件エントリー)時にご登録頂いた、「メールアドレス宛」等でお知らせさせて頂きます。 ◇なお、対面以外のご相談・ご案内(電話、メール等)につきましては、継続して対応させて頂きます。お住まいに関するご相談・ご案内をご希望される場合は、各物件のフリーダイヤル・メール等から、お気軽にお問合せ下さい。 ◇また、感染拡大防止策として、各営業担当も原則在宅勤務とさせて頂いております。勤務体制の変更に伴い、お客様へのご対応が遅延する可能性がございますことを予めご了承下さい。 ❷すでに「ご来場予約」を頂いているお客様へ  A「お引渡しのご予定がある場合」    各営業担当よりお客様へ確認のご連絡の上、適切に対応させて頂きます。 B「登録・申込・契約のご予定がある場合」   各営業担当よりお客様へ確認のご連絡の上、日時の延期等につきご相談させて頂きます。   (お急ぎの場合は、お手数ですが各物件のフリーダイヤルへお問合せ下さい。) ❸ホームページ等からの「ご来場予約」の受付停止  上記期間内の「ご来場予約」の受付は停止させて頂きます。  ※なお、「資料請求」または「物件エントリー」につきましては受付可能ですが、上記勤務体制の変更に伴い、お客様へのご対応が遅延する可能性がございますことを予めご了承下さい。 ❹上記内容に関し、「従前の各営業担当によるご案内及び該当物件ホームページ並びに、外部不動産サイトなどの各種広告物掲載内容」と、「本案内」の営業時間等の記載が異なる場合がございます。  大変恐縮ではございますが、その場合は「本案内」が優先されることをご了承下さい。  (筆者の注※)このお知らせは、4月7日に東京・大阪など7都府県に緊急事態宣言が発令された直後に、掲載されたものです。  URL<https://brillia.com/share/crn/pdf/info_crn.pdf?iad2=brillia-news> 【■■「メジャーセブン各社社員」の感染状況】 「メジャーセブン7社」(住友不動産、大京、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産レジデンシャル、三菱地所レジデンス)、それに三井不動産および三菱地所を加えた「計9社」で働く社員に、新型コロナウイルス感染者は発生しているのでしょうか?  各社のニュースリリースを確認してみました。 ◇住友不動産  同社は4月4日、「新型コロナウイルス感染者の発生について」と題する、ニュースリリースを出しました。これは「東京都新宿区の事務所に勤務する職員(20代の男性)が感染していることが、4月3日に判明した」という文面です。 ◇大京(ニュースリリースは見当たりません) ◇東急不動産  同社は4月6日、および4月20日に、「新型コロナウイルス感染者に関するお知らせ」と題する、ニュースリリースを出しました。  4月6日版は、「渋谷道玄坂東急ビルに勤務する社員は、医療機関を通してPCR検査を実施したところ、4月3日に新型コロナウイルス陽性と確認されました」という文面です。  また4月20日版は、「当社の社員1名は、医療機関を通してPCR検査を実施したところ、4月17日に新型コロナウイルス陽性と確認されました」という文面です。 ◇東京建物  同社は4月17日に、「当社における新型コロナウイルス感染者の発生と当社の対応について」と題する、ニュースリリースを出しました。  「当社の東京都内に勤務している社員1名が、新型コロナウイルスに感染していたことが判明いたしまし た。本社員については、4月5日以降在宅勤務をしておりましたが、12日に亡くなりました」という、誠に痛ましい文面です。  ◇野村不動産(ニュースリリースは見当たりません) ◇三井不動産と三井不動産レジデンシャル  三井不動産は4月13日に、「本社勤務(日本橋室町三井タワー)の当社社員2名が、新型コロナウイルスに感染していることが4月10日および12日に判明しました」という内容のニュースリリースを出しました。  ただし三井不動産レジデンシャルには、感染者発生のニュースリリースは見当たりません。  ◇三菱地所と三菱地所レジデンス(ニュースリリースは見当たりません) 【■■さらに長引く冬眠状態】   以上のように、緊急事態宣言が続く期間は、経営基盤の強いメジャーセブン7社でさえも、新築分譲マンションの販売に関しては、「冬眠に近い状態」に陥っています。  そして5月4日、政府は「緊急事態宣言の期間を、全国一律で5月31日まで延長する」と発表。これによって、「メジャーセブン各社の冬眠状態」は、さらに長引くことになりました。 細野 透(ほその・とおる) 建築&住宅ジャ─ナリスト。  建築専門誌『日経ア─キテクチュア』編集長などを経て、2006年からフリ─ランスで活動。東京大学大学院博士課程(建築学専攻)修了、工学博士、一級建築士。  著書に、『建築批評講座』(共著、日経BP社)、『ありえない家』(日本経済新聞社)、『耐震偽装』(日本経済新聞社)、『風水の真実』(日本経済新聞出版社)、『東京スカイツリーと東京タワー』(建築資料研究社)、『巨大地震権威16人の警告』(共著、文春新書)、『謎深き庭 龍安寺石庭』(淡交社)など。