【不動産ニュース】国土交通省 住生活基本計画見直しへ中間とりまとめ案|R.E.port
2020年6月29日 09時27分
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 国土交通省は26日、社会資本整備審議会住宅宅地分科会(分科会長:中井検裕氏(東京工業大学環境・社会理工学院長))の52回目となる会合をWeb形式で開催。住生活基本計画見直しへのたたき台となる中間とりまとめ案について議論した。  とりまとめ案では、今後の住宅政策の課題を「居住者」「ストック」「まちづくり」「産業・新技術」の4つの視点と12の項目に整理。項目ごとに検討の方向性と具体的な施策のイメージ、新たな指標のイメージを示した。  居住者の視点では、子育て世帯にフレンドリーな住まいの実現に向け、職住近接や職育近接など子育てしやすい居住環境の実現に向けた子育て支援施設やコワーキングスペースの設置、セーフティネット住宅の更なる普及など住宅確保要配慮者が安心して暮らせる居住環境の整備、ライフステージに応じた住み替えが可能となる環境整備など多様な住民や世代が安心して暮らせる地域共生社会づくりなどが盛り込まれた。  ストックの視点では、将来世代に継承できる良質な住宅ストックの形成、良質な住宅ストックが市場で評価され、循環するシステムの構築、既存住宅のリフォーム・リノベーションや建て替えの推進、空き家の状況に応じた適切な管理・再生・活用・除却の一体的推進を挙げ、買取再販やリースバック・リバースモーゲージの活用による質の高い住宅の流通促進、民間賃貸住宅の計画的な管理・修繕の実施の促進、官民が連携した空き家の発生の効果的予防、立地面でも優れた「使える空き家」の多様な利用といった施策の方向性を示した。  まちづくりの視点では、災害に強い住まいの実現、災害危険エリアから安全なエリアへの住宅立地の誘導などによる災害に強い居住空間の実現、持続可能でにぎわい・潤いのある住宅地の形成などが盛り込まれた。また、産業・新技術の視点からは、住生活関連産業の発展による居住者の利便性や豊かさの向上、IoT機器による見守りやテレワークスペースの確保など、新技術の活用や柔軟な働き方による新しい住まい方の実現を挙げた。  また、これら施策の達成度合いを測る新たな成果指標イメージとして「子育て支援や職住近接に関する指標」「セーフティネットや居住支援に関する指標」「住宅の省エネルギー性能の表示に関する指標」「質の高い買取再販住宅の流通に関する指標」「マンション管理の適正化に関する指標」「危険な空き家の除却実績に関する指標」などを挙げた。  委員からは、「職住近接や職育近接の考え方は、子育て世帯の支援という視点だけではなく、働き方改革などQOL実現という広い文脈でとらえるべき」「セーフティネット住宅のマッチングだけでなく、居住後の支援を含めた支援付き住宅を実現してはどうか」「持家だけでなく賃貸についてもストックの高品質化を明文化すべき」「二地域居住や移住についても持ち家や建て替え同等の支援が必要」といった意見が出た。また、リースバックやリバースモーゲージのトラブル増加に対してガイドライン等を設けるべきではないかといった意見もあり、国土交通省も「今後、何らかの形で適正化・健全化に向けた検討を図りたい」(同省住宅政策課長・三浦逸広氏)とした。  同省は、今回の議論をもとにした中間とりまとめを示した後、8月下旬から「新しい住生活基本計画」(全国計画)策定に向けた議論に入る。議論に当たっては、テレワークや在宅勤務の拡大など、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とした働き方やライフスタイルの変化も踏まえながら議論を進めていく。12月にも新しい住生活基本計画案を示し、パブリックコメント等を経て、2021年3月の閣議決定を目指す。 https://www.re-port.net/article/news/0000062668