【特別コラム】「東京競売ウォッチ」転貸物件の競落は転借人明渡前提か?|山田純男(ワイズ不動産投資顧問 代表取締役)
2022年10月20日 07時30分

競売不動産において最先の賃借権、つまり抵当権設定登記以前からの賃借権は競落人が承継する最先の賃借権となる。競落人は競落後引き続き賃貸し続けるのが前提だ。ここで問題はその賃借権がサブリース会社であった場合の扱いである。競落人が最先の賃借権を合意のもと解除したとした場合、そこから賃借している転借人に明渡を請求できるだろうか。まず転借人が最先の抵当権設定登記以前に占有を開始しているとすれば、この場合転借人は競落人に賃借権を対抗でき、引渡命令の発令はされないのは当然で、法的に明渡は請求できない。
しかし、転借人が最先の抵当権設定登記より後に占有しているケースはどうだろう。9月29日開札での大...