【特別コラム】「東京競売ウォッチ」2024年東京地裁競売市場の総括(2)|山田純男(ワイズ不動産投資顧問 代表取締役)
2025年1月23日 07時30分
先週の本欄では2024年東京地裁本庁の競売市場は競落率の微減、競落価格の売却基準価額への上乗せ率の低下を紹介した。そこから2024年は過熱状態だった市場の転換の兆候が表れた年であったと言えるだろう。
さて2024年の競落事例で特徴的だったのは1つにフラット35などの住宅ローンの不正利用に端を発した競売が目立ったことである。若者を中心に市場価格より極端に高い価格で、住宅ローン借り入れで購入させた上、賃貸にして運用させるといういわば詐欺商法の挙句での競売である。この競売は2025年も引き続き出現すると考えられる。むしろ融資銀行の債務者への一括返済要求が増え、競売申立てが増加することも考え...