【今週のビジネス誌より】星野リゾート 世界への成功方程式 すべては人手不足から始まった|日経ビジネス 2018/10/29
2018年11月5日 14時22分
no image
”長野・軽井沢がルーツの旅館・ホテル運営会社、星野リゾート。ありふれた地方の一軒宿は27年間で日本を代表する高級リゾートの一角を占めるようになった。原動力は欧米の組織論を基に独自の働き方改革を実践した4代目の星野佳路代表。国内で培った成功方程式を武器にして世界市場への本格進出を目指す。星野氏の経営改革を詳細に振り返りながら、その強さと抱える課題に迫る”(掲載誌より抜粋)  国内外で37箇所の旅館やホテルを手がけるホテルチェーン星野リゾートは長野県軽井沢町で避暑客に呼び込み営業を続けることからスタートした。1980年代に星野氏が就職した日本のホテルで海外進出に携わった後、帰国後に家業の温泉旅館を継ぎ、93年に施設を所有しない運営に特化するビジネスモデルに転換した。今後は海外進出を視野に入れ、ハワイにて施設を所有し、アメリカでの施設運営するためのノウハウを吸収し、人材も確保する。  1904年創業の星野リゾートの前身となる星野温泉旅館は、バブル経済末期 に業績は好調ながらも人材確保に苦しんでいた。そこで辞めていく社員にヒアリングすることから打開策をはじめた結果「仕事が面白くない」という回答が大半だった。アップダウンの指示で意見も言えず仕事が楽しめない環境を自由で対等な意見交換するフラットな組織にするために取り入れたのがアメリカの経営学者であるケン・ブランチャード氏のエンパワーメントの手法。1.仕事に必要な情報を共有、2.階層化した組織をやめるというステップを忠実に守るというもの。  もうひとつのポイントはマルチタスク。星野リゾートの独自の仕組みとして様々な業務を一人の社員が兼務すること。国内外を問わず、スタッフはフロント、調理、飲食サービス、清掃などをマルチタスクで兼務する。すると一日の業務がムラなく労働生産性が向上していく。しかし、導入当初は旧体制からのスタッフも多く反発もあった。そこでマルチタスクのメリットを説明することからはじめていったが、実現してもひとつの業務に従事するほうが楽なので自然と元の分業制にもどってしまったが、新体制後の社員からは浸透していった。  大手企業でも高い離職率は悩みのタネ。星野リゾートではフラットな組織を目指し、定着した後1年目の離職率は10~11%となっており、いまだ低いとはいえない。今後は休日の仕組みや年収のベースアップを行っていき、20年までに8%へ引き下げていく方針だ。 日経ビジネス https://business.nikkeibp.co.jp/nbs/nbo/base1/index.html?i_cid=nbpnbo_sied_pctoptx02