【特別コラム】「不動産業界のWEBマーケティング」第2回 ~ 折込チラシとWEB解析のかしこい使い方 ~|石岡 隆也(不動産業専門のWEBコンサルタント)
2019年3月27日 08時00分
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マンションデベロッパーの広告担当者さんと会話していると、 「最近チラシが全く効かないんだよね」 「チラシが効かないからWEBで何かいいものない?」 などとおっしゃいます。  そこで新聞について調べてみました。 日本新聞協会のWEBページによると、新聞発行部数は2000年を100(53,708,831部)とすると、2018年は約74(39,901,576部)となっています。 新聞の発行部数は随分と減ったのですね。 ニュースはスマホで、という方も多いのではないでしょうか。  新聞の発行部数が減少しているということは、当然ながら折込チラシにも影響があるということでもあります。 今は2000年の3/4のご家庭にしか折込チラシで物件情報を届けることができないとということです。 不動産の場合、物件周辺の顧客が購入する確率が高いわけですが、その物件周辺への折込チラシ数は単純計算でも約3/4になったという事なんですね…確かに厳しい状況ですね。 マンションデベロッパーの広告担当者さんが「チラシが効かない」とおっしゃる理由はここにあるのかな?なんて思います。 しかしながら、折込チラシは依然として3/4のご家庭には届けることができます。 ところが、広告担当者さんのニュアンスは3/4どころではなく、全く折込チラシが効かないようにおっしゃるのです。 本当にそうなのでしょうか?  物件のWEB解析をしていると、物件名で検索し、情報サイトで情報収集、結果資料請求に至ったケースが多く見られます。 物件名で検索して資料請求をするためには、物件名を知らない限り物件名で検索できないわけです。 その物件名を知るためにはリアル媒体(折込チラシ・宅配チラシ・看板など)あるいは紹介でしかあり得ないわけですから、折込チラシを含めたリアル媒体が効果をもたらしているという事です。  以前であればユーザーは資料請求をする際、配られたチラシついているハガキを切り取り、個人情報を書き(場合によっては古いハガキに糊付けし)そしてポストに投函(あるいはFAX)するという手間をかけていた方がいらっしゃったわけです。 今のユーザーさんはそんな手間をかけず、チラシに「〇〇と検索して下さい」とあれば検索して資料請求をする方が現実的だと思います。つまり資料請求方法のチャネルがWEBに変わっただけなのです。 折込チラシを含めたリアル媒体は実は貢献しているのに不当な扱いを受けていませんか?という事です。 お客様は折込チラシで物件名を初めて知り、スマホやPCで物件名をGoogleなどで検索をします。 ということは、物件情報にたどり着くルートとして以下の3ルートで検索結果表示されるという事です。 ・リスティング広告から物件の公式サイトへ ・自然検索(リスティング広告の下に表示される検索結果)で物件の公式サイトへ ・自然検索からポータルサイト(suumo等)の物件情報ページへ お客様はこの3ルートから、物件情報を閲覧して気に入れば資料請求をするという流れとなります。 ・物件を知ったのはチラシだけれど、検索したら検索画面の一番上にリスティング広告があったからクリック(タップ)して物件公式サイトに行った。 ・物件を知ったのはチラシだけれど、リスティング広告をクリック(タップ)せず、自然検索で物件の物件公式サイトに行った。 ・物件を知ったのはチラシだけれど、テレビCMで有名なポータルサイトに行った。 という事となりますが、お客様が物件を認知したのはあくまでも折込チラシ等のリアル媒体なのです。 私はリスティング広告結果を見た際に、物件名検索での資料請求は重視していません。 「なぜなら手柄はリアル媒体だからです。」 私は各ポータルの資料請求数を鵜呑みにはしていません。 「なぜなら手柄の一部はリアル媒体だからです。」 (かといってポータルさんへの出稿を否定している訳ではありません、ポータルさんは自らのコストで広告宣伝し、資料請求をマンションデベロッパーへ供給しているのは事実ですから) 物件名検索での資料請求はWEBの手柄ではなく、それはリアル媒体の手柄でもあるのです。 広告代理店さんがリスティング広告をレポートする際に 「先月の資料請求単価は2万円以下です。良かったですね」などと単純に資料請求単価で報告する事に大きな違和感を覚えます。 チラシで物件を知り、資料請求の手段としてPCやスマホから資料請求しただけなのに、手柄はWEBが持っていくわけです。 私が折込チラシさんの立場であれば、軽くキレるところです。 折込チラシは2000年に比べて物理的に発行部数が3/4になっているわけですから、当然効果は落ちていると思います。 ただクライアントさんが思うほどチラシが貢献していないかといえば、そうでもないのではないかと思っています。 先ほど新聞発行部数は2000年を100とすると2018年は約74となっています。と申し上げました。 つまり1/4のお客様には物件情報は届いていないのも事実です。 残り1/4のお客様に物件を認知してもらう手段として宅配チラシも行っていることでしょう。 しかしWEBを活用をすれば、その1/4のユーザーにも比較的低コストで認知させることもできるのです。 この具体的方法については次回ご説明することにします。  折込チラシの効果はWEB解析で簡単にわかります。しかしWEB解析は数字の羅列でしかありません。 しかしこの数字の羅列は不動産を熟知している管理職やプロジェクト担当者こそが必要なWEB解析データなのです。 そこには不動産を熟知している人でないと読み取れない「変化」があるからです。 「○○物件の折込チラシは昨日だったな、物件ページのページビュー数はどう変化したのかな?」 (折込チラシの効果はあったのかな?) 「サーチコンソールでの検索ワードはどうなっているのかな?」 (自然検索ワードでチラシワード(〇〇と検索してくださいの〇〇)はどれくらい検索されているのだろう?=チラシ反応率) と、様々な事がWEB解析によって解ります。 折込チラシが効いているのかいないのかはWEB解析によって判別できることです。 折込チラシが効いているのであれば折込チラシを続ければ良いでしょうし、効かなければWEB広告を増やすことも検討できます、しかし折込チラシの効果を「感覚や思い込み」だけで判断をするのは避けたいものです。 WEBを解析することなく「チラシが効かない」という結論は少し怖いし乱暴だな。と考えます。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 石岡 隆也(いしおか・たかや) 不動産業専門のWEBコンサルタント。大手マンションデベロッパーのWEB戦略専門の部署などを経て、2009年神奈川県川崎市に株式会社アコースティックを創業し現在会長職。主にWEB広告戦略の立案・実施を行う。2016年より株式会社マーキュリー顧問 ※編集部より 不動産業に特化したWEBマーケティングやコンサルタントでお困りでしたらマーキュリーにご相談ください。専門スタッフが貴社のWEB事業全般をサポートいたします。詳細はこちら https://mcury.jp/contact