【特別コラム】「不動産業界のWEBマーケティング」第3回 ~ 物件認知に新たな武器「位置情報DSP広告」場所や時間を設定して新規顧客を開拓 ~|石岡 隆也(不動産業専門のWEBコンサルタント)
2019年4月17日 08時00分
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 WEB広告の目的は大きく分けて2つです。 1.コンバージョンを目的とするもの 2.リーチ(到達)を目的とするもの  不動産業の場合のコンバージョンは資料請求や来場予約となり、リーチは、ここに「物件があるよ」と知らしめることとなります。 物件検討層は以下の2つに分かれます。 A.物件に興味がある。元々物件の存在を知っていた。 B.物件に興味がある。最初は物件の存在を知らなかった。 簡単に言うと A.は 「そろそろマンションが欲しいな」 「近所の駐車場だった所に分譲マンションが建つみたいだね」 「〇〇さん(企業名)が建てるんだね」 B.は 「そろそろマンションが欲しいな」 「最寄り駅で良いマンションはないかな?ちょっと探してみよう」あるいは 「両親が住んでいる○○区でマンションを探してみよう」等々…  Aのユーザーは物件を知っているわけですから、発売時期の告知を漏らさずに確実に行い、コンバージョンにつなげてゆく事が大切となります。 具体的には、折込チラシ・看板・宅配チラシといったリアル媒体からWEBサイトやポータルサイトへ誘導するという事になります。 もちろんリスティング広告(前回のコラム参照)の物件名検索の準備をしておき、WEBサイト誘導できるようにする必要もあるでしょう。 Aのユーザーは元々物件に興味があるわけですから、コンバージョンへの難易度はさほど高くありません。  一方で、BのユーザーはAのユーザーとは違い、物件が存在することを最初に知らしめなければなりません。 リーチ(到達)からサイト誘導、そしてコンバージョンにつなげるためのプロモーションが重要となります。 Bのユーザーが物件を知らないという事は、チラシが届いていないということになります。 チラシが届いていないのはチラシが配布エリア外という理由が大きいわけですから、ここはWEB広告の出番となります。 例えば、二子玉川駅最寄(西宮北口駅最寄)で新築マンションを探している、練馬区(須磨区)在住のユーザーがいたとします。当然物件のチラシは練馬区(須磨区)には届いていないわけです。 練馬区(須磨区)のユーザーが「二子玉川 新築マンション」(「西宮北口 マンション」)と検索する場合、リスティング広告のクリック単価は500円近くなると思いますので、予算はすぐに上限に達してしまいます。 さらに、競合物件もあり、物件の「横の比較」が始まりますので、コンバージョンレートもぐっと下がります。 このBのユーザーに対してコンバージョンさせる難易度は高めとなります。 マンションデベロッパーの何社かでは、BのユーザーをWEBプロモーションでコンバージョンさせる為には、5-7万円が必要と認識しておられますし、私も妥当だと思っています。  クライアントさんと会話をすると、リスティング広告のコンバージョン単価(資料請求や来場請求のWEB広告単価)はどれくらい?となりがちです。 しかし、重要なのは、コンバージョン単価はAのユーザーとBのユーザーをごちゃまぜにして判断しないいうことです。 Aのユーザーはコンバージョンに近く、Bのユーザーはコンバージョンから遠い。 この2つを合わせてコンバージョン単価を平均してしまうと判断を誤ることとなります。 30万円のWEB広告費に対し、物件販売開始時にAのユーザーから19件、Bのユーザーから1件の資料請求があったとします。 コンバージョン単価は1.5万円でパチパチと拍手となりますが、Aのユーザーは時間とともに減少します。 そのユーザーが減少した時、Aのユーザーの資料請求は2件、Bのユーザーから1件だったら、コンバージョン単価が10万円となるわけです。 このケースですと、物件販売開始時にパチパチの拍手ではなく、むしろBのユーザーからのコンバージョンの少なさに危機感を持った方がよいと思います。  Aのユーザーだけで、物件が完売するのであれば何の問題もありませんが、そう簡単にはいきません。 「物件の存在は知らないけど、最寄り駅で良いマンションはないかな?」と考えているBのユーザーに対してのアプローチが必要となります。 物件の近くに住んでいながら物件を知らないということは、チラシも届いてないという事です。 折込チラシのエリア外にお住まいなのか、それとも新聞をとっていないのか、宅配チラシが「お断り」なのか…いずれにせよ、マンション検討エリアの販売物件なのに、それを認知していないユーザーです。 Bのユーザーの中には自ら、例「二子玉川 新築マンション」と検索する。あるいはポータルサイトで検索をしてコンバージョンする、といったユーザーもいるでしょう。 こういったユーザーとAのユーザーだけで完売すれば良いのですが、これもそう簡単ではありません。 つまり、物件の存在を知らない層にリーチして、物件サイトを閲覧してもらうというWEB広告の実施が必要となるのですが、目的はあくまでも「物件認知」です、この層に対してのWEB広告はコンバージョンが目的ではありません。 物件を知らしめて、物件を認知していただく。とりあえず知っていただくといったWEB広告ですが、ここからコンバージョンは生まれてきます。 物件認知のためのWEB広告はいくつかあるのですが、今回は折込チラシ的なWEB広告をご紹介します。 それは「位置情報DSP広告」です。 これまでにも位置情報を使った広告はありましたし、中には実施したことがあるクライアントさんもいらっしゃると思いますが、運用次第では物件認知に充分活用できます。 簡単に言うと、GoogleMaps上にフリーハンドで一筆書きで囲んだエリア内のユーザーにWEBで広告を行うことができるものです。 なお、位置情報エリアや取得時間については自分で確認することができます(iphoneのみ)ので確認してみてください。 iphoneから 設定 → プライバシー → 位置情報サービス → システムサービス → 利用頻度の高い場所 とタップしてみます。 どうでしょうか?結構な精度ではありませんか?というより驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか? 折込チラシ的に位置情報DSP広告を利用するには、ユーザーの位置情報をもとに、「夜間」に位置情報を取得したユーザーへWEB広告を配信すればよいのです、「夜間」に位置情報を取得するという事は、高い確率でお住まいになられているわけです。 この広告はクリック課金(1クリック150円程度)です。不動産に興味がなければクリック(タップ)しないので予算を有効に使えます。 運用次第では不動産広告に向いている位置情報DSP広告です。上手く活用したいですね。 この位置情報DSP広告を使うと、高額所得者(と思われる方)への広告も比較的容易に広告できます。 詳細につきましては次回のコラムでご紹介させていただきます。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 石岡 隆也(いしおか・たかや) 不動産業専門のWEBコンサルタント。大手マンションデベロッパーのWEB戦略専門の部署などを経て、2009年神奈川県川崎市に株式会社アコースティックを創業し現在会長職。主にWEB広告戦略の立案・実施を行う。2016年より株式会社マーキュリー顧問 ※編集部より 不動産業に特化したWEBマーケティングやコンサルタントでお困りでしたらマーキュリーにご相談ください。専門スタッフが貴社のWEB事業全般をサポートいたします。詳細はこちら https://mcury.jp/contact