【特別コラム】「不動産業界のWEBマーケティング」第4回 ~ マーケティング・オートメーションツールの上手な使い方と富裕層へのリーチ方法 ~|石岡 隆也(不動産業専門のWEBコンサルタント)
2019年4月26日 16時33分
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 マンションデベロッパーさんのサイトでタグを確認していましたら、MAを導入されている会社さんをいくつか見つけました。 今回は、まずMA(マーケティング・オートメーション)についてお話をさせていただきます。 マンションデベロッパーさんが導入されているMAツールが、ほぼPardot(パードット)だったのが不思議ではありましたが… ※Pardot(パードット):セールスフォース・ドットコム社が提供する、Salesforceと一体型のマーケティングオートメーションツールです。  MAとは、獲得した見込み客を育て、精査し、営業マンに質の高いリストを送る一連の流れを自動化したもので、アメリカでは小規模な会社でも多く導入されています。 マス マーケティング(TVや雑誌など)が主流だった頃は、 ターゲットユーザー自らで商品に対する情報を調べる術があまりなく、商品の良し悪しを決めるには販売側からの情報が頼りでした。 今は、 ターゲットユーザーが商品を購入する前に ウェブサイトでの情報収集、クチコミ検索など自ら情報を取りに行く動きができるようになっています。 例えば、冷蔵庫を買い替えるとします。 ・冷蔵庫が古くなった。 ・最近の冷蔵庫は消費電力が少ない。 買い替える理由はいろいろとありますよね。 テレビCMを見て「この冷蔵庫いいよね!」と、そのまま家電量販店に駆け込んで購入する人はいるのでしょうか? おそらく、そんな方は少数派のはずです。 スマホで公式サイトを閲覧、比較サイトを閲覧し価格を比較する。 売り上げランキングを見る。口コミサイトを閲覧… そんな一連の行動が今では当然の流れです。 その流れが不動産の販売には波及していない。と考える方が無理があります。 つまり、ユーザーのWEB行動に合わせ、営業活動をする必要があるということです。 実際にあった例ですが、ある新築マンションで「マンション名 防音 床」と検索されて、資料請求に至ったお客様がいらっしゃいました。 マンション名:物件を知っているわけです、つまりリアル媒体に反応した可能性が高く、ご近所にお住まいのお客様です。 防音 床:上下階の音に関して何かしら問題を抱えている、あるいは気にしているわけです。 この情報は、営業に活かせますよね。ということです。 これまでは営業が勘や経験に頼る部分が多く、WEB行動データは営業が能動的に取得していた情報でしたが、WEB行動データを営業へ自動的に渡すというのがMAの機能(一部の)ということです。 他にも、メールはこれまでのように内容が画一的な同報メールではなくone to one的なメールを自動で送ることが可能となります。 例えば、二子玉川(西宮北口)の新築マンションに、世田谷区(西宮市)以外にお住まいのお客様から資料請求があったとします。 営業はこう考えます。 「世田谷区(西宮市)に地縁があるのかな?」 「世田谷区(西宮市)にご両親がお住まいなのかな?」 「世田谷区(西宮市)は勤務地なのかな?」等々 こうした営業の思考や経験をシナリオ化して、自動でメール送信する機能をMAは持っています。 このMAをデベロッパーが採用してきている、ということです。 MA導入に際しては、システム部門主導で「はい!MAを導入します。よろしく!」とはいかないわけですから、システム部門・マーケティング部門の方は大変な思いをされたことだと思います。  MAではリードジェネレーション(見込み顧客獲得)からリードナーチャリング(見込み客の育成)という流れになります。 リードジェネレーションの施策として一般的には、展示会やセミナーに始まり、リスティングやチラシなどの広告があります。 最近ではSNSのサービスも増えてきて、露出を増やす手段も増えてきたのではないでしょうか。 加えて技術的な躍進もあり、リマーケティングや、リターゲティングなどを利用して不特定多数の潜在顧客からターゲットを絞る精度は大きく変わってきています。 リードジェネレーションの施策として多く相談を受けるのが「富裕層」へのアプローチです。 「今販売しているマンションが高額なので富裕層へ広告がしたい」という事なのですが、以前は難易度が高かった富裕層へのアプローチも昨今では比較的容易に行うことができるようになりました。 ※ここで言う「富裕層」とは、野村総合研究所が定義している、マス層、アッパーマス層、富裕層といった、保有金融資産によって分類されたものではなく、「お金に余裕がある層」全般というイメージです。  富裕層へのアプローチ方法はいくつかあります。 Google・YDNのネットワークでもそれは可能ですが、今回は位置情報DSP広告を使った「富裕層」へのアプローチをご紹介します。 位置情報DSP広告は位置情報を取得する際に、その取得時間も併せて取得します。 また、広告を配信する際には配信対象者の性別が指定できます。 位置指定や時間を設定することで富裕層への広告配信は可能になります。 例えば 「いわゆる億ション」や「高級賃貸マンション」を位置情報指定、取得時間を22:00~翌06:00 「銀座のクラブ」を位置情報指定、取得時間を22:00~23:59、男性指定配信 「名門ゴルフ場のクラブハウス」を位置情報指定、男性指定配信 「五つ星のホテル」を位置情報指定、取得時間を22:00~翌06:00 と、設定すればよいわけです。 他にも高級レストランや高級会員制ホテルを位置指定してもよいでしょう。 ただし、一つ注意することがあります。 富裕層が必ずしも不動産興味層ではないということです。つまり富裕層へ「リーチ」が目的となります。 この位置情報DSP広告は、工場や役所を位置指定すれば「勤務者」にWEB広告ができるということになりますし、住宅展示場を位置指定すれば「住宅興味層」に広告配信できるというこです。 位置指定のやり方次第ではまだまだ色々な活用法がありそうですね。 石岡 隆也(いしおか・たかや) 不動産業専門のWEBコンサルタント。大手マンションデベロッパーのWEB戦略専門の部署などを経て、2009年神奈川県川崎市に株式会社アコースティックを創業し現在会長職。主にWEB広告戦略の立案・実施を行う。2016年より株式会社マーキュリー顧問 ※編集部より 不動産業に特化したWEBマーケティングやコンサルタントでお困りでしたらマーキュリーにご相談ください。専門スタッフが貴社のWEB事業全般をサポートいたします。詳細はこちら https://mcury.jp/contact